「発しんはきれいに治ったのに、その場所がずっとピリピリ痛む」。帯状疱疹のあと、こうしたご相談をいただくことがあります。
見た目が治っているぶん、つらさがご家族に伝わりにくく、ご本人が我慢してしまうことも少なくありません。
今回は、帯状疱疹のあとに残る痛み「帯状疱疹後神経痛」について、ご自宅での過ごし方とあわせてお伝えします。
発しんが治ったのに、なぜ痛みだけが続くの?
帯状疱疹のウイルスが、皮ふだけでなく神経そのものを傷めてしまうためと考えられています。皮ふの傷は治っても、神経が元に戻るには時間がかかります。
そのため、見た目が治ったあとも痛みの信号が出つづけることがあります。
厚生労働省も、皮膚の症状が治ったあとに痛みが残る「帯状疱疹後神経痛」を帯状疱疹の合併症のひとつに挙げ、日常生活に支障をきたすことがあるとしています(厚生労働省「帯状疱疹ワクチン」)。
どんな痛みで、ご高齢の方に多いのはなぜ?
痛みの感じ方はさまざまで、「ピリピリする」「ズキンと走る」「焼けるよう」と表現される方が多いようです。
衣類がふれただけ、風があたっただけで痛むという方もいらっしゃいます。痛む場所が、発しんの出ていた範囲と重なるのも特徴です。
帯状疱疹は七十歳代で発症する方がもっとも多いと報告されており、年齢を重ねるほど、あとに痛みが残りやすいとされています。
帯状疱疹そのものの初期のサインについては、夏の疲れと帯状疱疹でもご紹介しています。
ご自宅でできる、痛みとつきあう工夫
まず、痛むところを冷やさないことです。
冷えると痛みが強く感じられることが多いため、やわらかい衣類でそっと覆い、入浴などでゆっくり温めると楽になる方もいます。
寒くなると痛みが強まりやすい点は、高齢者の冬の関節痛にも共通します。
衣類は、しめつけの少ないやわらかい素材を選びましょう。痛みが強いとからだを動かさなくなり、眠りも浅くなりがちです。
無理のない範囲で日中にからだを動かし、生活のリズムを保つことが、痛みの感じ方をやわらげる助けになることがあります。
ご家族に知っておいていただきたいこと
この痛みは、見た目ではわかりません。「もう治ったはず」という言葉が、ご本人にはつらく響くことがあります。
まずは痛みがあることを受けとめ、様子をたずねていただくだけでも支えになります。
痛みが続くと、食欲や睡眠、外出の意欲にも影響します。痛みをやわらげる方法にはいくつかの選択肢があり、早い時期にご相談いただくほうがよいとされています。
我慢を重ねず、持病のある方は自己判断せずかかりつけの医師にご相談ください。
なお帯状疱疹ワクチンは、二〇二五年度から六十五歳の方などを対象に定期接種の対象となりました。対象や費用はお住まいの自治体によって異なります。
こんなときは、早めにご相談ください
痛みで眠れない日が続く、食事の量が減ってきた、痛みで動くのがおっくうになってきた、目のまわりに発しんが出た。
こうしたときは、早めに医師にご相談ください。
季喜ホームクリニックは、横浜市港北区大豆戸町を中心に訪問診療を行っており、二十四時間三百六十五日の体制でご対応しています。
通院がむずかしい方のご自宅にうかがい、診察やお薬の調整、ご家族へのご相談まで承ります。
はじめての方は訪問診療の流れやよくある質問をご覧いただき、気になることがあればお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
見えない痛みだからこそ、おひとりで抱えこまずにお話しください。
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