お食事のたびにコホンとむせる、お茶をひと口飲んだだけで咳きこんでしまう。ご高齢のご家族にそんな変化が見られると、ご家族としては気になるものです。
むせは「年のせい」と思われがちですが、飲み込む力の変化を知らせるサインであることもあります。
空気が乾き、肺炎が増えやすくなるこれからの季節に向けて、むせが起こる理由と、ご自宅でできる工夫をお伝えします。
食事のときにむせるのは、なぜ?
むせは、食べ物や飲み物が食道ではなく気管のほうへ入りかけたときに、それを外に出そうとして起こるからだの防御反応です。
年齢を重ねると、飲み込む動作にかかわる筋肉やのどの感覚がゆるやかに変化し、飲み込むタイミングがわずかにずれやすくなります。
その「ほんの少しのずれ」が、むせという形で表れると考えられています。
とくにお茶や水などのサラサラした水分は、のどを流れる速さが速く、飲み込む準備が間に合わずにむせやすいといわれます。
お疲れのとき、お薬の影響、おしゃべりをしながらのお食事でも起こりやすくなります。
見過ごしたくない、むせ以外のサイン
むせること自体は誰にでもありますが、次のような変化が続いているときは、飲み込む力が少しずつ変わってきているのかもしれません。
- お食事に以前より時間がかかる、途中で疲れてしまう
- 食後に声がガラガラする、たんがからむ
- 食べ物が口の中に残りやすい
- 体重が少しずつ減ってきた
- 微熱や、はっきりしない元気のなさが続く
飲み込んだものが気管に入ると、誤嚥性肺炎につながることがあります。
ご高齢の方では高い熱や強い咳がはっきり出ないまま、「なんとなく元気がない」「食が進まない」という形で現れることもあり、ご家族が気づく変化が手がかりになります。
食欲の落ち込みが気になる方は、夏バテで食欲が落ちていませんか?ご自宅でできる食事の工夫もあわせてご覧ください。
ご自宅でできる、お食事の工夫
まずは姿勢です。椅子に深く腰かけ、足の裏を床につけ、あごを軽く引いた姿勢は飲み込みやすいといわれています。
ベッドで召し上がる場合も背もたれを起こし、あごが上を向かないようにクッションで調整してみてください。
食べ方は「ひと口を小さく、ゆっくり」が基本です。次のひと口を急がず、飲み込みきってから運ぶようにします。
お茶や汁物でむせやすい方は、とろみをつけると流れがゆるやかになり、飲み込みやすくなることがあります。
お話やテレビは、ひと息ついてからのお楽しみにしていただくとよいでしょう。
食べやすさは、やわらかさだけでなく「まとまりやすさ」も大切です。
ぱさつくものや口の中でばらけるものは、あんをかけるなどしてまとめると扱いやすくなります。
お口を清潔に保つことも、大切な備えです
厚生労働省のe-ヘルスネット(誤嚥性肺炎)でも、口の中の細菌や食べかすを減らし、口腔の清潔を保つことが予防法として挙げられています。
歯みがきや義歯のお手入れ、お口をうるおすケアは、毎日続けたいことのひとつです。
くわしくは口腔ケアで誤嚥性肺炎を防ぐ|在宅でできるお口のケアでもご紹介しています。
こんなときは、早めにご相談ください
毎回のお食事でむせる、むせて苦しそうにする、食事量や体重が落ちてきた、熱っぽさやたんが増えた——こうした変化が見られるときは、様子を見すぎずにご相談ください。
持病のある方は自己判断せずかかりつけの医師にご相談ください。
季喜ホームクリニックは、横浜市港北区大豆戸町を拠点に訪問診療を行っています。
24時間365日のご連絡体制で、お食事や飲み込みのご心配にも、ご自宅で一緒に考えてまいります。
訪問診療の流れ、診療内容、よくあるご質問もご覧いただけます。ご相談はお問い合わせフォーム、またはお電話(050-1809-9929)まで。
毎日のお食事が、これからも安心して楽しめる時間でありますように。
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