朝晩の冷え込みが増すこの季節、ご高齢のご家族について「最近、少しふらつくようになった」と感じることはありませんか。
転倒は、実は寒い時期に起こりやすいといわれています。転んだことがきっかけで骨折し、そのまま歩く力が落ちてしまうことも少なくありません。
今回は、冬に転びやすくなる理由と、ご自宅でできる備えについてお話しします。
冬に転びやすくなるのは、なぜ?
主な理由は三つあります。
寒さで筋肉や関節がこわばって動きが鈍くなること、厚着やスリッパ、暖房器具のコードで足もとが取られやすくなること、そして日が暮れるのが早く、室内が暗くなりやすいことです。
寒い場所では体が自然と縮こまり、足が思ったほど上がらないまま歩いてしまいます。ほんの数ミリの段差でも、つま先が引っかかれば体は前に流れます。
また冬は水分をとる量が減りやすく、立ち上がったときに一時的に血圧が下がってふらつく方もいらっしゃいます。
関節の痛みで歩幅が小さくなることも、つまずきやすさにつながります(高齢者の冬の関節痛(膝・腰)もあわせてご覧ください)。
転倒の多くは、住み慣れたご自宅で起きています
消費者庁は、高齢者の転倒事故のおよそ半数が自宅で起きているとして注意を呼びかけています(消費者庁「10月10日は転倒予防の日」)。
場所として挙げられているのは、浴室・脱衣所、ベッドや布団のまわり、玄関、階段、庭や駐車場です。
いずれも冬は「寒い」「暗い」「厚着」が重なりやすい場所といえます。
なかでも冬の浴室は、暖かい居間との温度差で血圧が大きく変わりやすく、のぼせやふらつきの心配もあります。
詳しくは冬の入浴とヒートショックの予防でご紹介しています。
今日からできる、ご自宅での備え
大がかりな工事をしなくてもできることがあります。
浴室と脱衣所に滑り止めマットを敷く、夜のトイレまでの通り道に小さな明かりをつける、延長コードや新聞・雑誌を通り道から片づける、脱げやすいスリッパよりかかとのある履き物を選ぶ、といった工夫です。
動き方も大切です。布団やベッドから起き上がるときは、一度座って少し待ってから立つ。寒い廊下やトイレに出る前に、上着を一枚羽織る。
部屋の間の温度差をできるだけ小さくしておく。こうした小さな積み重ねが、ふらつきの起こりにくい環境づくりにつながります。
無理のない範囲で体を動かす習慣も、足腰の力を保つうえで役立つと考えられています。
「歩き方が変わった」と感じたときは
転んでいなくても、歩幅が狭くなった、壁や家具に手をつくようになった、立ち上がるときにふらつく——こうした変化は、体からのサインのことがあります。
背景に貧血や脱水、血圧の変動、足のしびれなどが隠れている場合もありますし、お薬の種類や量が影響していることもあります。
血圧やめまいのお薬を飲んでいる方は、量の調整が必要なこともありますので、持病のある方は自己判断せずかかりつけの医師にご相談ください。
こんなときは、早めにご相談ください
転んで強く打った、痛みや腫れが続く、立てない・歩けない、何度もふらつくといったときは、早めの受診をおすすめします。
季喜ホームクリニックでは、横浜市港北区を中心に訪問診療を行い、24時間365日の連絡体制でご自宅での療養を支えています。
ご自宅の様子を拝見しながら、足もとの環境やお薬についてもご一緒に考えます。訪問診療の流れやよくあるご質問もご覧いただけます。
ご相談はお問い合わせフォーム、またはお電話(050-1809-9929)で承ります。
寒い季節も、住み慣れたご自宅で穏やかにお過ごしいただけるよう、お手伝いさせていただきます。
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