朝晩の空気がひんやりとしてくると、「手足が冷たくて眠れない」「靴下を重ねても足先が温まらない」といったお声を、訪問診療のなかでよく伺います。ご高齢の方の冷えは、眠りの浅さや肩こり、お通じの乱れにつながることもあります。寒くなると手足が冷えやすくなる理由と、ご自宅でできる工夫をお話しします。
寒くなると手足が冷たくなるのは、なぜ?
からだが体温を守るために、手足の血管を細くして、熱が外へ逃げるのを防いでいるからです。心臓や脳といった生命にかかわる部分の温度を優先して保とうとするため、末端の手足はどうしても後回しになり、冷たく感じられます。
ご高齢の方では、これに加えて、筋肉が減って熱をつくる力が落ちること、血の巡りがゆるやかになること、寒さを感じ取る力そのものが鈍くなることが重なります。暖房で室内と外の温度差が大きくなる時期は、体温を調節している自律神経のはたらきが乱れ、冷えを強く感じやすくなるとも言われています。
「冷え」と「低体温」は、似ているようで違います
「冷え」は、まわりの人が寒いと感じない温度でも手足がつらいほど冷たく感じる状態で、必ずしも体温そのものが下がっているとは限りません。一方の「低体温」は、からだの奥の温度が35度を下回った状態を指し、強い震えや、ぼんやりする・受け答えがかみ合わないといった変化があらわれることがあります。
注意したいのは、低体温のときにご本人が「寒い」と訴えないことも少なくない点です。暖房の効きにくいお部屋では、冬の室内でも起こりえます。詳しくは健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)の解説もご参考になさってください。
ご自宅でできる、からだの温め方
衣服は「頭寒足熱」を目安に、上半身よりも下半身を一枚多くしてみてください。首元はマフラーやスカーフで守り、足先まできちんと覆うことも大切です。締めつけの強いものは避け、重ね着でこまめに脱ぎ着できるようにしておくと、汗をかいたあとの冷えも防ぎやすくなります。
入浴は、38〜40度くらいのぬるめのお湯にゆっくりつかると、からだの芯まで温まりやすいとされています。ただし、脱衣所や浴室とお部屋の温度差にはご注意ください。冬場の入浴の注意点は高齢者のヒートショックを防ぐ|寒くなる前に見直したいお風呂の入り方でもご紹介しています。
お食事では、かぼちゃ・ごぼう・玉ねぎなどの根菜類や、生姜・ねぎといった香味野菜が体を温めるとされています。温かい汁物を一品加えるだけでも、水分と一緒に内側から温められます。日中に足首を回す、ふくらはぎをさするなど、軽くからだを動かすことも巡りを助けます。
冷えの陰に、からだの不調が隠れていることもあります
冷えの背景に、甲状腺のはたらきの低下や貧血、足の血管が細くなる病気などが隠れていることがあります。とくに、片方の足だけが冷たい、ふくらはぎが痛くて長く歩けない、指先が白や紫に変わる、強い疲れやすさをともなう、といった場合は、一度ご相談いただくと安心です。
寒さは血圧の変動とも深く関わります。あわせて寒くなると血圧が上がるのはなぜ?もご覧ください。持病のある方は自己判断せずかかりつけの医師にご相談ください。
こんなときは、早めにご相談ください
「暖房を入れても手足が温まらない」「冷えのせいか夜眠れない日が続く」「ぼんやりして受け答えがいつもと違う」——そんなときは、我慢せずお声がけください。季喜ホームクリニックは横浜市港北区を中心に訪問診療を行い、24時間365日のご連絡体制を整えています(TEL 050-1809-9929)。
はじめての方には訪問診療の流れや診療内容、よくあるご質問のページもご用意しています。ご相談はお問い合わせフォームからもお受けしています。
寒い季節を、あたたかく穏やかにお過ごしいただけますよう、ご家族とご一緒にお手伝いしてまいります。
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