朝晩の冷え込みが感じられるようになると、「最近、お通じが出にくくなった」というお声を訪問診療の場でよく伺います。便秘は一年を通して起こりますが、気温が下がる秋から冬にかけては、ご高齢の方の排便のリズムが乱れやすい時期です。今回は、寒くなると便秘が起こりやすくなる理由と、ご自宅でできる工夫についてお伝えします。
寒くなると便秘がひどくなるのは、なぜ?
大きな理由は、水分をとる量が減ることと、からだを動かす機会が減ることの二つと考えられています。寒くなると喉の渇きを感じにくくなり、お茶や水を口にする回数が自然と少なくなります。そこに外出や家事の減少が重なると腸への刺激も乏しくなり、便が硬くなりやすいのです。
また、寒さで自律神経のはたらきが乱れると、腸の動きが鈍くなることがあるといわれています。トイレが寒くて足が遠のく、厚着でいきみにくいといった暮らしの事情が重なることも少なくありません。
便秘のサインを見のがさないために
回数だけでなく、便の様子も大切な手がかりです。コロコロとした硬い便が続く、強くいきまないと出ない、出たあとも残っている感じがする——こうした状態が続いていれば、毎日出ていても便秘と考えられます。
ご高齢の方は、便秘をご自分から訴えないことがあります。食欲が落ちた、なんとなく元気がない、お腹が張って苦しそう、といった変化がお通じのサインであることもあります。ご家族はカレンダーに排便の日を書き留めておくと、変化に気づきやすくなります。
ご自宅でできる、お通じを整える工夫
まずは水分です。寒い時期は白湯やほうじ茶、具だくさんの汁物など温かいものにすると、無理なく量をとりやすくなります。高齢者の「かくれ脱水」の回でもお伝えしたように、喉が渇く前にこまめにとるのがこつです。
食事では、野菜や海藻、果物、いも類など食物繊維を含む食品を毎食少しずつ。厚生労働省 e-ヘルスネットでも、朝食をとることが胃腸を刺激し排便のリズムを整えやすくすると紹介されています。朝食後にトイレに座る時間をつくるのもよい習慣です。
無理のない範囲でからだを動かすことも腸への刺激になります。椅子に座ったままの足踏みや、お腹をやさしくさするだけでも構いません。暑い時期のお通じについては、高齢者の夏の便秘を防ぐの回でも取り上げています。
お薬が関係していることもあります
便秘のなかには、ほかの病気やお薬が関係しているものもあります。痛み止めや一部の胃腸薬、パーキンソン病のお薬などは、便通に影響することが知られています。市販の下剤を続けて使う前に、いま飲んでいるお薬について、かかりつけの医師や薬剤師にご確認ください。持病のある方は自己判断せずかかりつけの医師にご相談ください。
こんなときは、早めにご相談ください
一週間近く排便がない、お腹の張りや吐き気がある、便に血が混じる、急にお通じの様子が変わった——このようなときは、早めに医療機関へご相談ください。
季喜ホームクリニックは、横浜市港北区大豆戸町を中心に、通院がむずかしい方のご自宅へ伺う訪問診療を行っています。24時間365日のご連絡体制で、日々の便通のご相談にも対応しています。訪問診療の流れや診療内容、よくあるご質問もあわせてご覧ください。ご不明な点はお問い合わせフォームまたはお電話(050-1809-9929)でお気軽にどうぞ。
寒い季節も、お腹の調子を整えて心地よくお過ごしいただけるよう、私たちがご自宅でお手伝いいたします。
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